★トイレから始まる:ジェンダーと公共参加
翁麗淑(台湾ジェンダー平等教育協会 理事)
台湾ジェンダー平等教育協会は、教師たちによって組織される団体で、性別平等教育を推進し、学生のニーズに合った教材を開発している。また、さまざまな分野の教育者を支援し、フレンドリーで公正な環境を作り出すことを目指している。包括的性教育の精神と具体的な内容は、TGEEAの理念と一致している。今年の夏には、教師たちが協力して、5〜7年生向けの「成長するよ!子どもむけCSEキャンプ」を初めて開催した。身体の発達、人間関係、社会への参加の観点から3日間の授業を作った。今回は、その中で「トイレと人生」という授業を紹介したいと思う。子どもたちはロールプレイを通じて、さまざまな人生を体験でき、異なるニーズを理解し、多様な人に対応するトイレをデザインする方法を学んだ。また、子どもたちは学校のトイレを評価するワークシートを通じて、自分たちもジェンダーにフレンドリーな環境を作る力を持っていることを実感した。
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★安全とジェンダーの視点からの性教育
蔡嘉莉(青躍−青少女発展ネットワーク 教育マネージャー) 青躍は、安全とジェンダーの視点を持った包括的性教育を提供することに取り組んでいる。私たちは、若者が安全な環境で性やジェンダーに関する話題を議論できるようにし、尊重と責任ある決定を行う力を育むことを目指している。今回の発表では、香港における学校での性教育の現状と制約、性教育ボードゲーム「Run for Consent」の理念と活用法、そして安全と尊重を考えてディスカッション空間を作る方法を教師やソーシャルワーカーに紹介する。
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★PEER-iod:アパラチア山脈地域における月経教育
Leah Loveday & Rebecca Pearson(RISE: Healthy for Life 性教育指導者) 米国では、学校や家庭で月経に対するスティグマが広がっており、多くの若者が月経について十分な知識を持っていない。RISE: Healthy for LifeらのPEER-iod教育者たちは、このスティグマを取り除き、すべての若者に包括的な月経健康教育を提供することに取り組んでいる。教育を通じて、若者の身体的な自己決定権を強化し、月経に対する社会の認識を積極的に変えていきたいと考えている。このフォーラムでは、米国における月経教育の歴史、政策、データ、そしてアパラチア山脈地域での月経教育の設計と実施経験について紹介したいと思う。
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★日本の中学校での包括的性教育のカリキュラムづくり
樋上典子(元公立中学校教員、非常勤講師) 日本の中学校で行われている「性に関する学習」の内容は、身体的性機能の発達、受精・妊娠、HIV/AIDSを含む性感染症の予防が中心であり、保守的な政府は包括的性教育を推進しない。私たちは保健体育科の教員を中心に大学研究者と協力して、東京の公立中学校でこれらの内容に限定せず、ジェンダー平等、多様性の尊重、避妊と人工妊娠中絶、デートDVについての学習も含む包括的性教育に近づくカリキュラムを構築し、14年間にわたり実践してきた。また、授業の前にアンケートをしたり、授業後に感想を集め、結果を授業や教材づくりに活かしてきた。
私たちは校長、他教科の教員の協力を得て、学校全体の取り組みとしてこのカリキュラムを継続してきた。しかし、これを学校カリキュラムに定着させることは難しかった。
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スピーカーとテーマは写真も含め
フォーラムウェブサイト
「包括的性教育-子どものための包括的性教育教育活動のデザイン-」
から転載しています。 |