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性と性教育の相談Q&Aシリーズ

第六回 子どもに、性やからだについて話すより…(父親)

Q:子どもに、性やからだについて話すより、こころやいのちの大切さを教える方が先なのじゃありませんか。(父親)
A:もちろん、心やいのちが大切なことに異存はありません。しかし、お父さん!心やいのちはどこにあるとお考えですか。私たちの心やいのちは、死を迎えると、つまり、からだが機能を停止するとなくなってしまうことになっています。すると、心やいのちはからだの中にあったと考えられます。
 すると、心やいのちを大切にするということは、からだを大切にすることでもあったことに気づかされるのです。そして、からだを大切にすることの一つとして、私たちが自分の性を含めてからだについてよく知ることは欠かせないと気づかされます。性やからだについて学ぶことは、心やいのちを大切に考える第一歩です。
 さて、具体的に子どもには、どう向き合えばよいのでしょうか。目標は子どもが「からだっていいな」といったような「からだ観」を持ってくれることです。まず、子どもが大きくなったこと、からだが大きくなったことを十分に認めましょう。赤ちゃんの時の写真が、もしあれば家族で眺めながら、「ずいぶん大きくなったねえ」「生まれた時は小さいのに大きな声でうぶごえを上げたんだよ」など話し合えたらいいですね。
 成長の中で、子どもができるようになったことを家族が認めるということも大切です。
 「三輪車に乗れるようになったんだって」
 「絵が上手に書けたね」
 「お手伝いができるんだねえ」
こんな家族の声掛けは、子どもの肯定感を支えます。これに反して、親しいつもりで、「バカ」「ブス」「チビ」「ヤセッポチ」「デブ」などは、いくら家族でも、冗談でも、からかいでも許されるものではありません。
 当然、いわゆる身体的虐待である子どものからだへの暴力は躾とは無縁のものであるばかりでなく、子どもの心やいのちを大切にする力を壊してしまいます。繰り返します。子どもたちが性やからだについて学ぶことは、いのちや心を大切に考える学びなのです。(安達倭雅子)

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