性と性教育の相談Q&Aシリーズ
第十一回 おしっこの出口の洗い方
- Q:子どもが段々大きくなってきて、入浴の時など、自分で自分のからだを洗えるようにしたいのですが、性器をどうやって洗うのかをどのように、いつ頃から教えればよいですか。(母親)
- A:子どもが自分のからだを自分で洗えるということは、からだが自分のものだという「からだ観」(からだ感)を持つために大切なことです。
子どもは生まれてしばらくは、食べることも排泄の始末も、からだを清潔にすることも、すべて他人(保護者)まかせです。しかし、そのうち、胸や性器は日常、人前にさらすものではなく衣類で被うものだということを理解し習慣化できるようになります。これと、同時進行のかたちで、性器は自分で洗うという生活習慣のトレーニングを始めるというのはいかがですか。
「性器と胸は自分で洗うのよ」という声掛けがスタートです。個人差はあるでしょうが2〜3歳ごろが目安でしょう。
保護者が同性であれば、いっしょに入浴した保護者がやって見せて真似から始めるということも可能です。
しかし、同性でない時は、昨日まで洗ってやっていたとしても、自分で洗う自覚をせっかく促しているのですから、できるだけ子どものからだに触れずに、言葉かけや絵本や図を駆使して理解させてください。
女の子は、しゃがんでシャワーやお湯くみでお湯を性器や胸に自分でかけるところがスタートです。小陰唇や肛門のまわりも前から後へと洗える、これが第二段階ですが、これはおしっこの後始末と同じ理屈ですから、スムーズに理解するでしょう。
男の子は、包皮をからだの方へ、おろせるだけ引いて、垢や汚れを洗い流し、包皮をまたもとにもどせればよいのです。
しかし、男の子の場合は、包皮口が少し狭かったり、包皮と亀頭部が癒着していたりするために、包皮が引き下げにくいことがあります。
その場合は入浴のたびに、痛くない程度に少しずつ引き下げられるところまで下げて、もどすということを繰り返せば、おそらく、自然治癒ということで、数ヶ月で包皮口は広がり癒着がとれるというのは医師の指摘するところです。
また、包皮口も広いし癒着もないのだけれど、どんなに清潔に気をつけても、包皮炎や亀頭炎を繰り返すような場合は、子どもの年齢を問わず医師に相談する必要があります。(安達 倭雅子)