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性と性教育の相談Q&Aシリーズ

第十九回 包茎って何ですか?(高1男子)

Q:包茎って何ですか?(高1男子)
A:一時期、男性雑誌を中心にこれについては誤った情報が流れた私たちの国では過った理解の方が少なくないのです。
 包茎は男性性器の包皮と亀頭部のあり方のことです。生まれたばかりの男の赤ちゃんの性器を思い出してください。包皮が亀頭部をすっかり包んでいて、朝顔の花蕾のような形をしているでしょう。
 この後、赤ちゃんが成長するにしたがって、性器も成長するわけです。包皮も亀頭部もそれぞれ成長するのですが、亀頭部に比べて包皮が長めに成長した場合は、亀頭部はおとなになっても包皮に包まれた形に成長します。この場合、包皮をからだのほうに引くと亀頭部が出ます。この形を仮性包茎と呼びます。何の問題もない立派に成長した男性性器です。
 これに対して、包皮が亀頭部より短めに成長した場合、亀頭部の先端は包皮の外にあらわれます。この形には従来名前はありませんが、これも何の問題もない立派に成長した男性性器です。
 ところが、これとは別に包皮と亀頭部が何らかの理由で癒着(くっついている)している場合と、亀頭部が出てくる包皮口が狭くて出てこられない場合を「真性包茎」と呼びます。これは、大方は自然になおるのですが、必要になれば手術をします。この真性包茎と仮性包茎をまぜこぜにして、仮性包茎も包茎なので格好悪いから手術をした方がいいといったキャンペーンが起こり、男の子たちが見当はずれな心配をさせられたことがありました。
2016年6月に国民生活センターは、包茎手術の相談が2011年から2015年の5年間で1092件寄せられたと公表しています。相談の内容は、高額な手術費用の請求や術後のトラブル(大量の出血、壊死など)があり注意を呼び掛けています。
 男性性器の癒着や包皮口の狭いトラブルは、入浴時に少しずつ癒着をはがしたり、包皮口を広げることで解決するのです。生まれつき癒着して生まれた赤ちゃんの場合、かなり強く癒着していても入浴のたびに包皮を下がるところまで下げ、包皮をまた戻しておくと数ヶ月で解決します。少年期の場合は、それよりもう少し時間がかかるかもしれないと専門医は指摘しています。
 仮性包茎で一見何の問題もなさそうなのにたびたび亀頭炎を起こす場合など医師は手術を選ぶことがあるそうです。この場合、健康保険が適用されます。また、必要ないのに、単なる仮性包茎の性器の包皮を短くする手術を望む場合は、保険が使えず天井知らずの費用を請求されることは先ほどの国民生活センターの報告の通りです。(安達 倭雅子)

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