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性と性教育の相談Q&Aシリーズ

第二十回 「おりもの」は、子どもでもありますか。

Q:「おりもの」は、子どもでもありますか。あるとすれば、どう教えればよいですか。(母親)
A:「おりもの」すなわち、膣分泌液は、女であれば赤ちゃんからおばあさんまで膣や子宮をきれいに保つために、いつも流している「水」、体液のことです。池や沼の水は腐ることがあっても、川の水は流れていて腐りにくいわけで、それと同じで全くうまくできているからだの仕組みです。
 膣分泌液は思春期になって、ホルモンの働きが盛んになると、量が増えます。排卵の時期には少し粘り気が増すことが指摘されています。妊娠の期間、特に出産が近くなると、また性的に高揚すると分泌量は増します。
 しかし、膣や子宮などに雑菌やカビが侵入したり、傷ができたりすると、膣分泌液の量や色や臭いは変化します。膣分泌液について、よく理解し、日常的に関心を持つということは健康を守ることにつながります。
 中国で、次のような性教育の授業を見たことがあります。
 先生は女性の下着についた「もの」(それはヒトの膣分泌液ではなく、鶏の卵の白身が代用されているのかなと思いましたが)を示してこうおっしゃいました。
 「これは今、分泌されたばかりの膣分泌液です。分泌された直後では、何の色もにおいもありません。健康な膣分泌液です。でも、この分泌液は分泌されて数時間たつと、色やにおいが現れてきます。それは、その人特有のものです。そこで私たちは自分の健康な時の膣分泌液が数時間たった後の色やにおいをよく覚えておきましょう。そのことで私たちは自分のからだの病気や傷を手遅れにならずに医師に相談することができます」と。
 膣や子宮に起こったトラブルは、放っておくと卵管(排卵された卵子は卵管で受精し受精卵は卵管を通って子宮に送られ着床する)にも達し、それが更に不妊という大きなトラブルを起こすこともあるのです。
 この種のトラブルの中には、「無症候」といって病気にかかっているしるしがほとんどないものもあります。そこで、私たちが自分のからだに関心を持ってさえいれば、(この場合は膣分泌液ですが)病気を100%発見できるとは言い切れません。しかし、無知や無関心のために、すっかり病気を進行させてしまうことも少なくありません。(安達 倭雅子)

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