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性と性教育の相談Q&Aシリーズ

第二十一回 女の人に性的な乱暴をしない子にするには…

Q:このところのニュースで、男の子を持つ親として不安になるのですが、女の人に性的な乱暴をしない子にするには、何に気をつけて、どんな子に育てればいいですか。(母親)
A:女の人は人間であって、男の人がそうであるように、意に反して誰かのいいなりになりたいと思っているものでも、どうかしさえすればいいなりになってしまうものでもないことを日常の中でお子さんに伝えてください。
 それは、おそらく、説教や建前の言葉からではなく、まずは両親の男として女としての関係のあり方やそれに対する努力の姿から伝わっていくものだと思います。世の中に「反面教師」という言葉はあっても、「反面親」とか「反面両親」という字句のないことから考えてみても親のあり方やその価値観といったものは、本音のところで相当に正確に伝わっていくもののようです。努力していても、なかなかうまくいかない人の場合は別ですが、自分は少しも努力しないで「自立的な女に娘を育てたい」と言っているだけの母親の娘に自立した女を見ることが少ないのと同じかもしれません。
 従って「なんとかかんとか理屈を言ったところで結局女は男の意に従うようにできている」とか、「女のいやよいやよは好きのうち」だなんて冗談のかけらでも、言ってみたり思っていたりする人が子どもたちの環境の中にいる間は、世の中から性的乱暴をゼロにすることは難しいのです。言い替えれば、性的犯罪はそうした人々の本音が下支えしているとも言えそうです。
 また、「男の性欲は手に負えない。時には暴走する」といった迷信も、そんなことはないと、子どもたちに訂正して語らなければならないでしょう。「欲望に勝てない」ことはない。性的欲望は本能だからなくすことはできないけれど、その欲望に対して、人間はコントロールする力を持っていることを子どもたちに伝える必要があります。
 「性教協」の村瀬幸浩さんは、「人間の性欲や性衝動は必ず手なづけられる」と子どもたちに語っています。「男の性は暴走する」あるいは「暴走しても仕方がない」と思いこまされれば、男の子たちが暴走する可能性は大きくなると考えられませんか。(安達 倭雅子)

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