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性と性教育の相談Q&Aシリーズ

第二十五回 精子は休みなくどんどん作られるというけれど…

Q:精子は休みなくどんどん作られるというけれど、どんどん作られて、それからどうなるのですか (中2 男子)
A:確かに、からだが性的におとなになって、精巣で精子が作られ始めると、それは休むことなく続けられます。しかし、それはダムに川の水が溜められていくように、ただ一方的に刻々溜まるというものではないそうです。休みなく作られると聞いて、そんなイメージを持っていしまってはいませんか。
 実は、作られた精子は、かなりのスピードで分解され吸収されてしまうのだそうです。射精しないと精子が溜まりすぎるという心配はありません、自然に分解され吸収されます。
それでも、「生産過剰・備蓄不能」とでもいう状態になれば、眠っている間の刺激から自然に射精が起こることがあります。「夢精」と言います。この場合、精液のついたパンツは自分で下洗いして洗濯籠に入れるのがマナーです。
 また、遺精と言って、高いところから飛び降りたり、急に後ろからからだを押された時、射精が起こることがあります。
 精子や精液が溜まれば、それをからだの外に出したいという欲望が起こります。性的欲求とか、性欲とか言います。これは自然なことですが、性交しなければ解消しないものではありません。性欲を自慰(オナニーと言ったり、マスターベーションと表現したりする人もいます)という性行動で解消する生活習慣を身につけることは性的に自立し、おとな人になる第一歩です。誰にもわずらされずに、誰もわずらわせずに、プライバシーを大切に確保して行う性行動です。自慰は自分自身で行う心とからだの対話です。誇るべき性行動の一つです。もちろん、女の子にもあるべき性行動です。
 しかし、人によっては、自慰をする自分に嫌悪感や罪悪感を誤って持ってしまい、自責の念に悩むこともあります。また、おとなの中にも、自慰は性交する相手を持てない人の「情けない行為」だと誤解している人もいます。
 また、昔から、「自慰をすると頭が悪くなる」とか「背が伸びなくなる」とか言った迷信もあります。自慰について、どうぞ正確な知識を持ってください。(安達 倭雅子)

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