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第32回 理論と実践講座

「人権教育」としての性の学びをつくる
〜『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』を学び活用する〜

 2017年6月にようやく出された「子どもの権利に関する条約第4・5 回政府報告書」の中で日本政府は、「学校カリキュラムにおいてはリプロダクティブ・ヘルス教育という用語は使用していないものの、これに関する内容は含んで」いると述べ、エイズに関する教育も含め、「やっている」という報告をしています。子どもや若者、学校や教員にとっての現実はどうでしょう。
 包括的性教育がすべての人びとに保障されることは「性の権利」であり、それは、各国の政府、教育機関の責任であることが、国際的には確認されてきました。『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(2009年・ユネスコ)は、そのことを明確に示した文書であると同時に、包括的性教育とは何かということを、具体的に提示しています。『ガイダンス』は、私たちが性教育実践に取り組む際の確かな基盤となります。そして、そこから学ぶことは、子ども・若者たちの課題に応える性教育実践づくりにつながるはずです。


第32回理論と実践講座実行委員長 田代 美江子
会場及び参加費
開催日 2018年1月27日(土) 28日(日)
会場 埼玉大学 総合研究棟シアター教室
会場所在地: 〒338-8570 さいたま市桜区下大久保255 埼玉大学

埼玉大学へのアクセス
定員 200名 ※申込締め切り 1月21日(日)但し、定員になりしだい締め切り
参加費 会員 両日 4,500円  一日 2,500円
一般 両日 5,000円  一日 3,000円
学生 両日 1,000円  一日 1,000円
※「会員」とは性教協全国会員のことで、「一般」とはそれ以外の方すべてになります。
主催 主催:一般社団法人"人間と性"教育研究協議会
このホームページから申し込む方法と郵送またはFAXで申し込む3通りの方法があります。

詳しくは下記申し込み方法詳細をご覧下さい。

<第一日> 1月27日(土)
12:15〜 受付
12:50〜 開会挨拶 金子由美子(第31回理論と実践講座実行委員長)
13:00〜14:30
《講座1》
新学習指導要領と
  『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』にみる
               性の学びの意義と課題
 
渡辺大輔
(埼玉大学准教授)
  

 2009 年に発表されたユネスコ『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』では、5 歳から18 歳の子どもたちに必要な性に関する学習を、子どもたちの発達課題に合わせて提示しています。この中で、セクシュアリティとは人間の生涯にわたる基本的な要素で、多様性が基本として位置づけられています。
 一方、日本では2017 年3 月に新しい学習指導要領が公示されました。ここでは「子供たちが未来社会を切り拓く」ための「知識の理解の質を高め資質・能力を育む」ような「主体的・対話的で深い学び」が必要で、「何ができるようになるか」を明確化したこと。さらに「道徳教育の充実や体験活動の重視、体育・健康に関する指導の充実により、豊かな心や健やかな体を育成」することが強調されました。
 この二つを照らし合わせながら、「科学・人権・自立・共生」をキーワードとする性教協の性教育の次なるステップを考えていきます。
14:45〜16:15
《講座2》
文学と性〜『初恋』(島崎藤村)で、恋愛を語り合う
 石田智子(性教協静岡サークル)・山下泰(性教協静岡サークル)

 性教育と文学のつながり・・・3年間、性に関する授業を受けてきた生徒は、文学の中の恋愛をどのようにとらえるのか。中学国語の授業でどんな性教育が可能か・・・挑戦してみました。
 ヒット曲の歌詞や漫画、TV 番組などから「恋愛」を学んでいると思われる生徒達。恋愛に対して興味関心が高い中学3 年生の卒業前の授業として、初恋に関する3つの詩から恋愛について考え、意見交換をしました。さまざまな恋の詩に表されている思いや二人の関係性を恋愛のモデルケースとしてとらえ、恋愛に対して自分の考えをもち、友達と意見を交わすことを通して、これまでの自分の恋愛に対する思いや経験、家族との関わりをふり返ったり、新たな考えに気づいたりすることができました。
 性に関する授業で耕した心を、国語の読み取りに生かし、自分の生き方を考える。そんな実践をご紹介します。
16:30〜18:00
《講座3》
性の学びは生涯つづく――高齢期の性教育――
 村瀬幸浩
(日本思春期学会名誉会員、季刊セクシュアリティ編集委員、元一橋大学講師)

 高齢期(65 歳以上)の人口が全体の3 割近く(27.7%)を占めるようになりました。驚くべき早さで高齢化がすすんでいます。福祉、年金、医療、家族や孤立等々積み重なった社会問題が一気に押し寄せてきて息苦しさがあります。
 そしてセクシュアリティ――私たちはこの問題を正面から見つめて、意識の切り替えをする必要に迫られているのではないでしょうか。
 高齢期は突然到来した(する)わけではありません。予知できた(る)ものです。少なくとも更年期は人生の大きな結節点でした。そこに立ち返って、それから後、私たちはどう「性」を生きてきたのか、出来るだけ丁寧に生理や心理や関係性を振り返り総括する必要があります。
 その上で、それから長くつづく高齢期の性(それは実に多様ですが)をどのような関係(パートナーがいない、失う可能性も含めて)で生きるのか腹をくくるためにも、新たな学びの中身についてお話しします。
<第2日> 1月28日(日)
9:30〜 受付
9:45〜11:15
《講座4》
幼児期にこそ育みたい「からだ観」
 北山ひと美
(学校法人和光学園 和光小学校・和光幼稚園校園長)

 4歳前後になると、女の子と男の子のからだの違いに気づき始めます。と同時に、自分とは違う性器に関心を示すことも出てきます。友だちどうしで見たり見られたり見せられたり・・・・・・、幼児期にはありがちなことですが、そのことで傷つく子どもたちもいます。また、社会に溢れている性に関わる情報に幼児期からさらされている子どもたちは、すでに性についてのバイアスがかかり、そのことが今後の性意識に影響していきます。
 幼児期にこそ、からだについての正しい知識と、自分も自分以外も大切にする、という感覚を育みたいものです。それは保護者の性意識にも揺さぶりをかけることになり、子どもたちの成長に大きな力となるのではないかと思っています。
 幼稚園の5歳児に「からだのはなし」を3回組んでいます。自分のからだってすごいな、と感じる、性器のついた赤ちゃん人形を使って女の子と男の子の性器の違いを知る、自分のからだを守るためにどうすればいいかを考える機会にしています。
11:30〜13:00
《講座5》
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』と障害児・者の性
 伊藤修毅
(日本福祉大学准教授)

 国際セクシュアリティ教育ガイダンスは、すべての人々に包括的セクシュアリティ教育を受ける権利があることを示しています。「すべての人々」ですので、障害のある人々も排除されません。しかし、障害のある人々が、セクシュアリティ教育の対象から排除されている事実は、依然として存在します。また、ガイダンスの「認知能力に一致させる」という文言には、「認知能力の低い者はセクシュアリティ教育の対象にならない」という解釈を生じさせるリスクも抱えています。この講座では、ガイダンスにおける「障害」を検討し、「認知能力に
一致させる」の理解について考えていきます。
 国際社会は、障害のある人々の人権保障の積み上げの到達点を「障害者権利条約」に集約しました。ここには、「性教育を受ける権利」も明記されています。ガイダンスも、この到達点に基づいています。この点に学びながら、ガイダンスにおける「障害児・者の性」を読み解きたいと思います。
13:00〜 閉会挨拶 水野哲夫(第37回全国夏期セミナー長野大会実行委員長)
<申し込み方法>
※郵送、FAX、ホームページからの申込方法があります。
参加費は当日会場で徴収します。お早めにおこしいただき、釣銭のないように準備いただければ助かります。
郵送の場合 申込書に必要事項を記入し、82円の切手を貼った返信用封筒(受付票送付用)を同封して下記申し込み送付先に郵送して下さい。
申込書をお持ちでない方はこちらをダウンロードし、プリントしてご使用ください。

申込書送付先
〒151-0071
 東京都渋谷区本町1丁目7番16号 初台ハイツ1006号
“人間と性”教育研究協議会事務局 「理論と実践講座」宛
FAXの場合 申込書に必要事項を記入し、下記申込先にFAXして下さい。
申込書には必ずご自分のFAX番号をお書き下さい。受付票をFAXにて送付します。
申込書をお持ちでない方はこちらをダウンロードし、プリントしてご使用ください。

申込書送付先FAX番号
03-3379-7561(性教協事務局)
ホームページから 申し込み専用フォーム(別ウィンドウが立ち上がります)からお申し込みいただけます。

   申し込み専用フォームから申し込む

●専用メールフォームにてお申し込みいただくと、数分後、送信内容を記入したメールアドレス宛に自動送信されます。Eメールを受信して確かめてください。そのメールが受付確認メールとなります。印刷して、参加日当日ご持参ください。
●携帯のアドレスでお申し込みの場合「@seikyokyo.org」ドメインからのEメールを受信できる設定にして下さい。
●Eメールが受信できない場合、メールアドレスの誤記入が考えられます。よくお確かめの上再度お申し込み下さい。
●受付確認メールが「迷惑メール」のフォルダに分類される場合があります。「迷惑メール」フォルダの中もお確かめ下さい。
申し込みの共通事項
参加費 会員 両日 4,500円  一日 2,500円
一般 両日 5,000円  一日 3,000円
学生 両日 1,000円  一日 1,000円
※「会員」とは性教協全国会員のことで、「一般」とはそれ以外の方すべてになります。
宿泊  申し訳ありませんが、宿泊のご案内はしておりません。遠方の方は近辺のホテルなどをお探しください。大宮駅または浦和駅近辺ですと埼玉大学(最寄りは北浦和駅、南与野駅、または志木駅)には便利です。
■参加申し込み及びお問い合わせ
"人間と性"教育研究協議会(性教協)本部・事務局

 〒151-0071 東京都渋谷区本町1丁目7番16号 初台ハイツ1006号
    TEL 03-3379-7556  FAX 03-3379-7561
    ※電話は火・木曜日の午後13時〜16時に受け付けています。
     お急ぎの場合は、FAXにて用件をお知らせください。(24時間常時受付)

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